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王羲之の行書を集めた集字碑。筆画が力強く字粒がそろい、字間もゆったりしているので、習いやすいです。同じ王羲之の書を集めた集王聖教序に比べると、見やすいのでよく見えるという印象をうけます。一点一画をとってみるとやはり集王聖教序には及ばないという見方もありますが、他の集王碑よりは優っていて評価されている碑です。 王羲之は右軍将軍という官職にあったので、王右軍とも呼ばれます。会稽郡の地方官として赴任していた頃、当代の名士42人が集まり 流觴曲水の宴を催しました。この時につくられた詩をまとめ、王羲之が草したその序文が蘭亭序です。蘭亭序の真跡はその後王羲之7世の孫とされる 智永 ( 真草千字文 ) の手を経て、熱烈な王羲之愛好家であった唐太宗の蔵となりました。彼の命により、搨書人(筆跡の複製を作成する専門家)により、 複製が作られたり、当代の大家たちによる臨書がのこされましたが、蘭亭序の真跡は太宗の没後その墓に副葬されたと言われています。 本書掲載の「張金界奴本・蘭亭序」は虞世南の臨本とも言われますが定かではありません。張金界奴本の蘭亭序は、『余清斎帖』や『秋碧堂法書』など複数の集帖に刻入されています。